成果を出すためには手段を問わない。
本質的な組織のあり方とは?
CREATIVE DIRECTOR 大石橋 智

成果を出すためには手段を問わない。本質的な広告を作るための、本質的な組織のあり方とは?

空間やイベント・展覧会の設計から、グラフィックを中心とした広告制作など、あらゆるクリエイティブを経験されてきた大石橋 智さん。彼は今、デジタルエージェンシーVMLのクリエイティブディレクターとして活躍中です。

大石橋さん曰く「出る杭として打たれそうな人ばかりが集まっている」という、VMLという組織。「和をもって尊しとなす」を大切にしてきた日本の企業とはちょっと違う、フラットでスピーディー、そして本質を追い続ける企業アイデンティティーが、そこにありました。

大石橋さんがVMLに転職をされたきっかけは?

2013年のことでした。とある仕事の流れで、すごく精度の高い企画書を目にしたんです。それまで僕はずっと大阪のデザイン会社に勤務していて、大手代理店の元でグラフィックデザイナーとして働いている立場でした。そのため代理店の企画書は日々目にしていたのですが、その企画書はちょっと斬新だったんです。

「こんな企画書見たことないな」と思って読み込んでしまった。でもそうすると「自分であればこうするのに」というアイデアが浮かんで来て、次第にコミットしたくなってしまいました。

その企画書を作っていたのが、VMLというデジタルエージェンシー。気になってネットで検索してみましたが、情報が全然出てこない(笑)。人づてに情報収集してみたところ、ポジティブな内容しか入って来なかったし、ちょうどVMLの代表が大阪出張するというお話を聞いて、アポを取っていただいてお会いすることになったんです。

それが後に採用面接になるのですが……いわゆる「面接」らしさは皆無。採用する側・される側というよりも、丁寧に価値観を擦り合わせていくような印象で、共感を覚えました。後に入社のオファーをいただき、クリエイティブディレクターとして働きはじめました。

VMLでのお仕事生活が始まって、驚いた事はありますか?

まず、無駄な会議がないことですね。長く会社員をやっていると「会議のための会議」という意味のわからない時間が発生したりするのですが、そんなものが一切なくて心地良いです。

そして1時間と決めた会議は必ず1時間でやり切る。会議自体は「ディスカッションして、次への課題を洗い出すディベートの場」という共通認識があるので、確認やら発表やらにだらだらと時間を割くことはなく、とても濃い時間が過ごせるんです。

とはいえ、ディベートするには入社順やキャリアなどの上下関係がネックになるかと思うのですが……

入社順や年齢に関わらず、「部下を演じている」という人はいないように感じています。相手の話の意図がわからない時には、上下関係に関わらず徹底的に「なぜ?」と聞いていますね。たとえ社長の発言であっても、疑問があればその意図をとことん尋ねる。理解できないままに進んでしまった方がずっと不幸なので、小さな疑問でも最初に「なぜ?」と浮かんだタイミングで、徹底的につぶしておくんです。

全社員が、かなり能動的に発言・行動をしているような社風ですね。

そうですね。外資系ということもあって海外経験のある人が多いから、自分の意見をしっかり伝えるタイプに偏っているのかもしれません。

VMLは、もし年功序列式の日本企業の中にいれば「出る杭」として打たれまくるような人がたくさん集まっている組織。出る杭ばかりが集まると、結果として誰も集中的に打たれることはないんですよね(笑)。

出る杭は打ちませんが、むしろ必要ないものや形骸化した古い仕組みなどの「守る必要のないもの」は、どんどん変えていく社風です。能動的な人にとっては天国ですが、保守的な方にはオススメできません。

クライアントに対しては、どのような接し方をされているのでしょうか。

プランナーもディレクターもデザイナーも、VMLのメンバー全てにおいて共通しているのが「クライアントにとってのベストを考える」という思想。当たり前のように聞こえますが、これを統一するというのが意外と難しいんですよね。

たとえば、デザイナーは広告賞を狙って物作りすることも多いですが、広告賞というのは、あくまでクライアントワークの副産物。そこを目的にされてしまうと、ベクトルがずれてしまいます。

VMLはみんなが最終目的を同じ場所に設定しているから、そもそも根本的な部分では衝突しないんですよね。もちろんそれぞれの主張はありますから、ディスカッションすること自体は多いのですが、恨んでいる訳ではないので清々しい関係ですよ。

そしてもう1つ清々しいといえば。大手代理店の元でデザインディレクションしていた環境から今の立場に転職した僕としては、やはりクライアントと直でやり取りができるという環境は最高ですね。クライアントと会話するときも、本音でお話できるようにしています。クリエイティブを突き詰めていく時、変な打算や駆け引きは有効じゃないですからね。

大きなプロジェクトに参加する際、大手代理店経由でクライアントの意向を伺っていると、クライアントの本当の意図を感じ取ることができずにスケジュールや、リソースを前提にお話をする場面が多くクライアントの課題解決の為に何が有効かをディベートする機会が少なかったのですが、現在は、クライアントの為に有効なことにだけに考えを巡らせれることが最高にいい環境です。

これからの目標は?

まず1つめは、VMLがクリエイティブにも強いエージェンシーだと認知していただくこと。

もちろん今は「戦略の会社」というイメージが強いですし、私たちもマーケティングの論理を最重要視しています。でも、感度の高いクリエーターを巻き込んでもっと成長していきたい。そのためには、私自身がしっかりとクリエイティブを高めていかなければいけません。

そして2つめは、クライアント側にも変化を起こせるような会社になりたいと思っています。

クライアントの組織に変化をもたらす、という事でしょうか?

はい。現状、大企業でデジタルマーケティングを担当されているのは若手の方が多く、経営層に対してデジタルマーケティングが正確に理解されていない状況というのも少なくありません。でも、デジタル領域での施策によって明確な成果を出せれば、社内意識も変わってくるはずです。

ただ、すべてがデジタルマーケティングで解決できることではないのも事実です。

VMLでは、オンラインでの施策をご相談された時でも、本当にその方法が有効だと判断できない場合には、デジタル領域以外の広告手法をご提案させていただくこともあります。その場合はVMLがご依頼をお受けするのではなく、その領域に強く高いパフォーマンスを持つ企業様をクライアントにご紹介させていただくことも。

これはVMLが大切にしている“クライアントファースト”の考え方。自分たちの利益を取るより、お客様にとっての利益を考えて行動すること。この思想を持っていることが、私がVMLがいい会社だなと思う理由の一つですね。

PROFILE

PROFILE

大石橋 智

クリエイティブ ディレクター

ナショナルクライアントのセールスプロモーションからファインアートの展覧会まで様々な分野のグラフィックデザイン、アートディレクション、プロジェクトマネジメントの実績を持つ。VMLTOKYOではマーケティング戦略に基づく、クリエイティブコンテンツのプロデュースを担当。